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特集:U/Iターン経験者の対馬ぐらし(vol.4)

Vol.4  藤原 圭一さん (2 / 2)

漁師としての独立を目指して、まずは単身赴任。

ーー対馬についてご家族の反応は?

いま、長女が小学校6年生で長男が4年生になりましたが、都会の生活に慣れてはいるものの、熊本のおばあちゃんの家にいくときなどは自然の中で遊ぶのも慣れているので、子供達は対馬みたいな環境も好きみたいです。

夏に遊びに来たときは、私が研修に出てる間に勝手に釣り道具とか買って来て、ここで釣りさせてもらったりしてましたが、その時は「対馬に住みたいー」とは言ってました。

ーー小学生ぐらいの子供を持つ親として、島ぐらしと進学。について不安などはありますか?

それは、あまりないですね。子供たちがやりたいことが見つかったら、それにちゃんと向かっていけばいいだけなので、場所はどこでも関係ないと思ってて。都会暮らしだから。とか、島ぐらしだから。っていうのは、あまり影響ないと思うんですよね。ただ、やりたいことはちゃんとやらせてあげたいとは思います。自分自身も研修を受けつつ独立に向かっているからかもしれませんが、そのあたりは本人のやる気次第かな。って、最近つくづく思ってます。

ーー想像していた対馬ぐらしと、実際の暮らしの違いってありました?

漁師の世界は想像と全然違いました(笑)。想像の中では、海に落とされるのは当たり前で、口ではなくて拳骨が飛んで来るみたいな。そんなイメージだったので、漁師になるって決めたときには、海に落ちるのは覚悟して来たんです。でも、現実は全然違って。みんな優しくて、ウェルカムな空気を作ってもらってて、本当に助かってます。古里地区の前にも、上対馬の他の地区の船で研修させてもらったんですけど、みんな、本当に優しい。自分自身も好きなことをやってるから、っていうのはあると思いますけど、やだな。って思うことは今のところないですね。

ーー最初のイメージだと、技とか技術も見て盗め!的な・・・

そう。でも、実際は聞いたら教えてくれるし見せてもくれる。だけど、見せてもらえるといっても、自分でやってみると出来ないことが多い。同じことやってるはずなのに、全く体が動かないんですよ。これは何度も繰り返して体に覚え込ませていかないといけないなというのは、すごく感じてます。

例えば、漁に使うナワを整理するのひとつでも、親方だと40分ぐらいなんですけど、最初のころ自分は2時間ぐらいかかるわけです。でも、ナワ数が増えないと、漁獲も増やせないんで作業の速さはすごく大事だってわかってくる。今は、できるだけ早くやれるように意識してやってるんですけど、まだ1時間の壁が越えられないです。

ーー研修は、先輩Iターン者の細井漁組長をはじめ、地区の漁業者のみなさんが指導者と聞きました。

研修は、いろんな親方が指導者として交替で教えてくれる仕組みになっているので、研修期間を通じて様々な漁法などを学びます。私は研修生の一般公募があった時に応募して受け入れてもらい、去年の8月に対馬へきたので、いま半年ぐらい経ちました。研修期間はあと半年。

漁協の関係で、住んでる地区によって磯の権利とか漁協の地区組織とかが決まってくるのと、将来的にもここでやっていきたいと思っているので、3月以降はこの古里の船で研修させてもらって独立を目指すことになります。

一年研修したら、独立の資格は手に入る。でも、独立後はだれか親方の従業員ってわけではないので、全部自分の責任。研修で指導してくれる親方たちも「独立のための手伝いはできるけど、そこから先は自分次第」っていう想いがあるから、簡単に漁師になれるぞとは決して言わない。そういう人たちに指導してもらってます。

「おれがハードルを上げたかもしれん。よそ者には気をつけろって。笑」って、細井さんは言ってましたが、細井さんたち先輩のおかげで、こういう制度が整って私も対馬に来れるようになった部分はあると思ってます。

ーー直近の目標は?

やはり、まずは独立。自分の船を買って、早く自分でやりたい。って想いが強いですね。やっぱり自分でやらないとわからないことばかりなんで、やって覚えるしかないなと思ってます。

家族については、まだ収入面の不安もあるので呼び寄せたりするタイミングは難しい部分もありますが、「漁師で独り立ちして収入得られるようになったら仕事辞めていく」って嫁も言ってくれてますし、子供たちについても、将来的に対馬に住みたい。ってなったらいつでも来れるような体制は整えていきたいですね。

(おわり)